「敬老の日に花を贈ろう」と思い立ったものの、いざ花屋を前にすると足が止まる。そんな経験、ありませんか。
30代にもなると、自分の親だけでなく祖父母への贈り物にも気を遣うもの。特に80代、90代と年齢を重ねた祖父母に対しては「失礼のないように」「でも喜んでほしい」という気持ちが空回りして、結局何を選べばいいか分からなくなる。
ぶっちゃけ、花なら何でも喜んでくれるはず、という甘い考えは少し危険。年配の方には、長年培ってきた「花へのイメージ」や、今の体力に見合った「扱いやすさ」という切実な事情があるからです。
敬老の日の花選びで、失敗しないためのポイントを整理しました。
祖父母が本音で「もらって困る」のは、実は手入れが大変な花
花をもらうこと自体は、誰だって嬉しい。でも、その後の「お世話」が負担になるパターン、意外と多いんです。
足腰が弱ってきた祖父母にとって、大きくて重い花瓶に水を張って、毎日重い思いをして水を取り替えるのはかなりの重労働。せっかくの贈り物なのに、肩身の狭い思いをさせては本末転倒ですよね。
また、香りが強すぎる花も要注意。密閉された部屋で過ごすことが多い場合、ユリのような芳香が強い花は「頭が痛くなる」という人もいます。
- 大きすぎる花束(花瓶がない、水替えが大変)
- トゲのあるバラ(怪我の心配)
- 散り際が激しい花(掃除が面倒)
このあたりは、避けるのが無難。
逆に喜ばれるのは、そのまま置いておける「アレンジメント」です。吸水スポンジに水を与えるだけでいいので、手間が圧倒的に少ない。
最近は、お手入れ不要のプリザーブドフラワーも人気ですが、年配の方は「やっぱり生花がいい」というこだわりを持っていることも多い。正直なところ、相手の性格をよく知っているなら生花、遠方に住んでいて頻繁に様子を見に行けないならプリザーブドフラワー、という使い分けが正解です。
菊やユリは「縁起」と「匂い」で賛否がわかれる
敬老の日の花として、秋の象徴である「菊(マム)」は定番。でも、ここが一番の悩みどころ。
昔ながらの白い菊は、どうしても「お葬式」や「仏花」を連想させてしまいます。特にマナーに厳しい世代だと、良かれと思って贈った花が誤解を招くことも。
最近は「ピンポンマム」のように、丸くて可愛らしい、洋風な菊も増えています。これなら仏花感は出ませんが、それでも「菊は菊でしょ」と感じるおじいちゃん、おばあちゃんもいる。
迷ったら、菊をメインにするのは避けて、アクセント程度に留めるのが賢い選択。
ユリについても、白ユリは供花のイメージが強いため、贈るなら黄色やピンクなどの明るい色を選ぶのが鉄則。
もし、どうしても心配なら、花屋さんにこう伝えてみてください。
「敬老の日の贈り物です。お葬式を連想させないような、明るくて華やかな雰囲気でまとめてください。菊を使うなら、丸いピンポンマムのような可愛らしい種類をお願いします」
これだけで、店員さんは「あ、マナーを気にしてるんだな」と察して、絶妙なバランスで組んでくれます。
3,000円から10,000円。予算感で変わる「豪華さ」のリアル
敬老の日の花の相場は、だいたい3,000円から10,000円くらい。
これ、幅があるように見えますが、実は「贈り方」によって決まります。
- 3,000円〜4,000円:ちょっとした手土産感覚。孫からおじいちゃんへ、気軽なプレゼント。
- 5,000円〜7,000円:しっかりした「お祝い」のサイズ。アレンジメントなら食卓がパッと華やぐ。
- 10,000円前後:米寿や白寿などの「節目の長寿祝い」を兼ねる場合。かなり豪華。
ぶっちゃけ、普段の敬老の日なら5,000円前後が一番バランスがいい。
花屋の店頭で5,000円出せば、季節の花がたっぷり入った、見栄えのするアレンジメントが作れます。
もし「自分の予算でどれくらいのボリュームになるか不安」というときは、 計算ツール を使ってみるのも手です。事前にイメージを掴んでおけば、お店で「えっ、これだけ?」と驚くこともなくなります。
ちなみに、10,000円を超えてくると、今度は「置く場所がない」「重すぎて動かせない」という問題が出てきます。豪華にしたい気持ちは分かりますが、祖父母の家のスペースを思い浮かべて、無理のないサイズを選ぶのが優しさ。
孫と一緒に選ぶなら「色の意味」を添えてみる
もし、あなたにお子さんがいるなら、つまり「ひ孫」と一緒に花を選ぶなら、色の意味をフックにするのがおすすめ。
ただ「綺麗だから選んだ」と言うよりも、「おじいちゃんがいつまでも元気でいられるように、この色を選んだんだよ」と一言添えるだけで、価値が何倍にも跳ね上がります。
敬老の日によく使われる色と、そのイメージをざっくりまとめました。
- 紫:高貴、長寿(古希や喜寿のお祝い色。品がある)
- 黄色・オレンジ:元気、明るい(ビタミンカラー。見ているだけで元気になる)
- 赤:情熱、健康(還暦のイメージ。華やかで元気が出る)
- ピンク:優しさ、感謝(おばあちゃんへのプレゼントに鉄板)
敬老の日の花として定番なのは、やはり紫。
でも、紫一色だと少し落ち着きすぎてしまうこともある。そんなときは、黄色やオレンジを混ぜてもらうと、一気に「お祝い感」が出ます。
長寿祝いのメッセージカード文例|失礼にならない祝い方を参考にしながら、子供に手書きのメッセージを書いてもらうのもいい。花の美しさはいつか消えますが、その言葉は仏壇や棚の上にずっと飾ってもらえます。
長生きを願うなら「リンドウ」や「ダリア」が喜ばれる
具体的に何の花がいいか。
敬老の日の花として、圧倒的にハズレがないのは「リンドウ」です。
リンドウは古くから根が薬として使われていたため、健康や長寿を願う花として定着しています。あの凛とした青紫色は、年配の方にも好まれる上品な色味。
もう一つ、最近人気なのが「ダリア」。
一輪が大きくて存在感があり、とにかく豪華。3,000円くらいの予算でも、ダリアが一輪入るだけで「おっ、すごいな」と思わせる力があります。
あとは、季節外れでなければ「トルコキキョウ」もおすすめ。
花持ちが良くて、上品なフリルが華やか。水が下がりにくいので、お世話に慣れていない祖父母でも長く楽しんでもらえます。
ひまわりは夏の名残を感じさせて元気が出ますが、9月の敬老の日だと、少し時期が遅くて状態が良くないこともある。花屋の店員さんに「今、一番元気な花はどれですか?」と聞くのが、実は一番失敗しないコツ。
もし、食事会を開いて渡す予定なら、長寿祝いの食事会に花を持っていく|テーブル花の頼み方を見ておくと、レストランでの振る舞いも完璧。
花屋でそのまま使える、失敗しない伝え方
最後に、これさえ言えばOKというフレーズを置いておきます。
花屋に行くと、たくさんの花に圧倒されて言葉が出てこなくなるもの。そんなときは、スマホでこの画面を見せるか、そのまま読み上げてください。
「敬老の日の贈り物です。予算は5,000円で。
80代の祖母に贈るのですが、お世話が楽なようにアレンジメントにしてください。
リンドウを入れて、あとは明るく元気が出るような色合いで。
お葬式っぽくならないようにお願いします」
これで十分。
「お世話が楽」「お葬式っぽくない」という二点さえ伝われば、プロは絶対に外しません。
もし、渡した後に記念写真を撮る予定なら、長寿祝いの写真撮影用の花|記念写真に映える花の選び方をチェックして、顔が明るく映る花を選んでもらうのもアリ。
迷ったら「祖父母の日常」を想像して決める
結局のところ、最高の贈り物は「相手のことを考えた時間」そのもの。
「重い花瓶は大変かな」「この色はあの人の部屋に合うかな」と想像すること自体が、最大の敬意。
もし花の種類で迷ったら、こう考えてみてください。
「今日贈った花を見て、明日おばあちゃんが笑顔で起きてくれるかどうか」。
豪華なユリじゃなくてもいい。珍しい輸入物の花じゃなくてもいい。
「敬老の日の花だよ、いつもありがとう」という言葉と一緒に届く花なら、それがリンドウ一輪であっても、祖父母にとっては一生の宝物になる。
今の自分の予算でできる、最高に優しい花を選んであげてくださいね。